テナガの種類
国内のテナガの種類をザっとご紹介します。
種のほとんどが琉球列島に集中しているのが面白い点です。

■テナガエビ ■ヒラテテナガエビ
■ミナミテナガエビ ■コンジンテナガエビ
■イッコンテナガエビ ■ザラテテナガエビ
■ネッタイテナガエビ ■ツブテテナガエビ
■コツノテナガエビ ■オオテナガエビ
■ヒラアシテナガエビ ■ショキタテナガエビ


テナガエビ
本州〜九州にかけて陸封された湖沼や汽水域まで広く分布する、良くみるテナガエビ。
メスは3〜7cmくらい、オスは大型になると20cmをラクに越えます。
大型のテナガオスの第二胸脚・・・つまりあの長い腕は体長の倍以上にも達し、非常にアンバランスな見た目になります。メスは手長にならず、体長もオスの半分以下なので区別は容易です。

【飼育】
大き目の水槽で、隠れ家を多く用意して飼育密度を高くしなければ飼育は簡単です。
ろ過装置、ヒーターがあると理想的。特に夏場は水質がすぐ悪化するので、水替えの手間が省けます。空腹にするとすぐ共食いが始まるので、一日に2回くらい満足に餌を与えることで共食いは防げますが、単体で飼育するのがベストです。
繁殖については、テナガエビ全般に言えることですが、非常に難しいです。

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ヒラテテナガエビ
千葉県以南の本州〜琉球列島、台湾にまで広く分布。
流水域に適応したテナガで、相模川にも多く生息し、テナガエビ同様に簡単に釣れます。
第二胸脚は左右で大きさが異なるのが普通で、その第二胸脚が平たく見えることから和名が付けられましたが『ヤマトテナガエビ』の名前で呼ばれることもあります。

【飼育】
比較的容易ですが、普通のテナガよりも多く酸素を必要とする為、ろ過装置の付いた大型の水槽での飼育が理想。流水を好むので、強めのろ過装置を設置するのが適しています。

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ミナミテナガエビ
西表島に多く生息する種で、琉球でテナガといえばコレ!というくらい一般的。
サイズが大きく、200gにも達するので食べ応えも十分。焼いても揚げても煮ても美味。

【飼育】
比較的容易。

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コンジンテナガエビ
鹿児島県以南〜インド、西太平洋、東アフリカに広く分布する。
かなりの大型種で第二胸脚まで含めると余裕で30cm越えを果たし、ショップでのお値段も3000〜5000円くらいと驚き価格。
琉球などでは養殖もされているくらい一般的なエビで、よく食べられるらしい。

【飼育】
大型種なので水槽もかなりの大型を用意しないと複数飼育は難しく、普通は単独かペアでの飼育くらいが理想。 比較的容易に飼育ができます。

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イッコンテナガエビ
琉球列島〜東南アジアまで広く分布。体長は小さく3〜4cmくらい。
汽水域に生息し、石垣島や西表島では最も一般的なテナガ。
しかしテナガエビといっても、どちらかというとスジエビに近種で、手長にはなりません。

【飼育】
汽水域に生息するテナガなので、飼育は少し難しくなります。

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ザラテテナガエビ
国内では琉球列島、国外ではインド・西太平洋にまで分布。
琉球列島では主に河川の下流域に生息。
第二胸脚は左右で形態が異なり、片側のみ大きく発達しザラザラした感触の為『ザラテテナガエビ』と和名が付きました。

【飼育】
水の汚れにも強く、飼育は容易。

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ネッタイテナガエビ
琉球列島〜東南アジアにかけて分布。5〜7cmの小型種。
流水域に生息しており、第二胸脚も左右で形態が異なる。このように左右で形態が異なるのはテナガエビとしては一般的。
片方のみ大きく発達し、かなり逞しい第二胸脚となり、見た目はザリガニっぽく見える程です。
レッドデータ種であるので、採集はしないほうが無難でしょう。

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ツブテテナガエビ
琉球列島〜東南アジアにかけて分布し、流水域に生息しています。
日本産テナガの中では一番の美しさを誇り、緑と赤の鮮やかな色彩を放ち、第二胸脚はとても短いです。
個体数が少ないレッドデータ種なので、採集はしなようにしましょう。

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コツノテナガエビ
琉球列島〜台湾、フィリピン、インドにまで広く分布。
石垣島、西表島では河川の最上流域の最も流れの速い場所に生息。流水域のテナガの特徴として、第二胸脚が太くガッシリすることが挙げられますが、コツノテナガエビも同様で、やはりザリガニのように逞しく見えます。
丈夫な種なので飼育は容易ですが、これもレッドデータ種で個体数が非常に少ないので採集はやめましょう。

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オオテナガエビ
琉球列島とハワイなどに分布し、河川の下流域に生息。
オオテナガエビといっても体長は7〜8cmほどにしか育たたず、第二胸脚は左右異なる発達をし、片手はシオマネキのように太く大きくなります。

【飼育】
比較的容易。

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ヒラアシテナガエビ
琉球列島〜東南アジアに分布。7〜8cmに成長します。
下流域の潮の影響のある場所に生息し、個体数も非常に多く、オオテナガエビと混生していることで有名です。
やはり第二胸脚が左右異なり、片方のみ太くアンバランスな発達を示します。

【飼育】
比較的容易。

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ショキタテナガエビ
日本産のテナガの中では唯一の大型卵、完全陸封型の種で、西表島の浦内川の最上流にのみ生息しており、レッドデータ種であるので捕獲はやめましょう。
発見者が『諸喜田 茂充』という方だったので、その名が付きました。

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